まずはやってみる
今月の22日から23日は職員旅行でした。職員はデイズニーランド、デイズニーシー、シルクドソレイユのコースを楽しんでいる間に、私は同じ飛行機の朝一便で東京に行き、漢方の師匠である寺澤先生を千葉のバイト先まで訪ねて勉強してきました。開業してからずっと思っていながら行動できなかったことをやっと行う事ができました。千葉の病院は東京から90分もかかる不便なところでしたが、遠いところ出かけただけのことはありました。先生は大学の教授をしている時よりもリラックスして患者さんを診察されていて、そこには漢方薬のみにこだわらない東洋医学と西洋医学の融合した診療がありました。他の漢方のどんな有名な先生の話を聞いてもほとんど参考になることはありませんが、そこには私が習った漢方医学の教科書の様な診察風景がありました。師匠というのは有り難いもので自分が迷った時の道しるべを示してくれるのです。先生も西洋医学の薬の方が優れていると思われる時には西洋薬を投薬されていて、私も自分の日頃の医療で良いのだなと確認もできたし、また、こんな時はもう少し深い洞察を加えて漢方薬で推し進めて良いのだなと思われる症例も見学できました。一生懸命に寺澤先生の外来診療のやり方を盗んだ初心者の頃を思い出すことが出来て、本当に有意義な時間でした。
なぜ私が急に師匠の所に行く決心が出来たかと言いますと、最近私の外来を見学に来る先生が出てきました。忙しい外来なので十分には教えることができませんが、それでも自分なりには一生懸命に説明しているつもりです。その先生達の結構楽しそうな顔を見ていると自分も初心に戻って学びたくなったのです。開業していて千葉に勉強に行くことは無理だと考えていましたが、出来るか出来ないかはやってみなければ分からないじゃないかと考え、職員旅行のついでに行こうと思って交通機関の乗り継ぎを調べてみたら、何とか出来そうで寺澤先生にメールをしてみました。先生も喜んでくださって先生の外来は丁度午後からで木曜日も病院で出勤しておられて実現できました。今回はたまたま次の日の金曜日が祝日であったために職員と合流してシルクドソレイユだけ見て帰りましたが、来月からは水曜日の最終便で東京に行き、次の日の午後外来を見学して羽田から最終便で出雲に帰ることにします。
ずっと無理だと思いこんでいたことがいとも簡単に実現できて、充実した時間を過ごすことが出来たことに大変嬉しく思っています。
最近の傾向で、失敗することを恐れてアクションを起こさない人が多い様に思います。失敗するかしないかはやってみなければ分かりません。やらずに後から後悔するよりは、例え失敗してもアクションを起こす方がましだと考えます。失敗したときはその理由を検証して次のチャンスの際に参考にすれば、失敗も生きて来ます。失敗しても命までは取られることはありません。特に若いときの失敗は大きな財産になります。私の人生を振り返って見ても失敗の連続でした。自分の選択を後悔したことも一度や二度ではありません。ですが、長い年月が経過した今では、ほとんど自分が選んだ失敗に悔いはありません。今日の自分の生きていく上での哲学の基礎となっています。本やインターネットの知識の何百倍の記憶となっています。
若いときはアクションを起こすかどうか迷った時は、損するか得するかなどと考えずに信じたことをやってみることです。やってみてその様子で次にどうするか決めれば良いのです。その考える過程が将来必ず役に立つのです。もちろんアクションを起こすにはエネルギーと若さが必要となってきます。若さとは実際の年齢ではなく、自分がまだ新しいことにチャレンジできる間はいくら年齢を重ねていても若いと考えれば良いのです。今回私が嬉しかったのは、今の安定した自分の仕事に満足することなく、再び遠くまで出かけて学ぼうと考えた自分のチャレンジ精神が嬉しかったのです。師匠の元で多くの事は学んで今後の診療に役立つとは思いますが、そのことはどうでも良いことなのです。
みなさんもやるやらないの選択をする毎日だと思いますが、参考にしていただければ幸いです。