長生きの漢方薬
11月はインフルエンザの予防注射を約1000人の人に平素の診療の上に行っていて、このホームページの更新が出来ませんでした。外来で先生の独り言を毎月楽しみにしてますよと、時々声をかけてくださる患者さんがいて大変励みになります。今回は長生きの漢方薬について私なりの私見を述べます。最近、アンチエイジングという言葉が流行しています。それは、美容に関して肌の若さを保つ意味で使われていることが多くあります。美肌は当院のCクリームと化粧水が絶対の自信がありますが、今回は長く生き延びる為の漢方薬があるので説明します。一般的にどこでも手に入る八味丸(八味地黄丸)です。人間は老化すると腎が衰えます。漢方で言う腎は西洋医学の腎臓の働きに加えて体のホルモン的な働きも含まれ、それが低下するといくら気が若くても体は衰えます。古来より、権力者は自分の命が長く持つ薬を作らせて来ました。中国では作られた八味丸が、最も体の老化を遅らせる薬だと考えられます。八味丸は体のバッテリー機能が衰えたのを補う物なのです。いくらエンジンが大きくて丈夫でもバッテリーが動かなくなれば車は動きません。軽自動車のエンジンでもバッテリーさえ丈夫なら、車は何十年でも動きます。車の補充するバッテリー液や充電が八味丸の役割です。八つの生薬より成り立っていて、地黄は血を補い、滋養や水分調節をし、血糖降下作用もあります。サンシュユは春に黄色い花が咲く植物ですが、腎を補い生殖能力を高めます。山薬は山芋のことですが、胃腸機能を高め強壮作用があります。牡丹皮は牡丹の根の皮ですが血の流れを良くします。ブクリョウは胃腸や精神作用を整え、水分調節を行い、血圧を低下させます。沢寫は利水作用とコレステロールと血糖を低下させます。桂皮はシナモンですが、血管を拡張したり、気の巡りを良くします。ブシはトリカブトを無毒化した物ですが、体を温め、鎮痛効果があります。少しづつですが、老化に際して出現するいろいろな症状にも対応出来るようになっています。日本人や中国人にとって老化を遅らせる最強の薬と考えています。徳川家康も八味丸に10種類位の生薬を加えた物を飲んでいたと言われています。秀吉よりも長く生きて天下を取ったのはご存じの通りです。私も10年位前から八味丸を飲んでいます。参考にしてこのホームページを読んだ人は長生きしましょう。