広末涼子さんの告知から考える
広末涼子さんが先日、高速道路でトラックにに追突して病院に運ばれて、そこで看護師に障害事件を起こして逮捕されたことが報道されました。それを聞いた世の中の精神科医は双極性感情障害であると確信したことでしょう。
この病気は世の中に多くの方が悩んでいる病気です。気分が過度に高揚するそう状態と気分が落ち込むうつ状態を繰り返す病気です。適度のそう状態では仕事や勉強が集中して出来て、非常にインテリジェンスが高い人や芸能人など仕事が出来る人にいます。もし、精神科医の診察を受けていればよいのですが、たいていはそう状態の時は調子よく仕事が出来るので自分では病気だと思わないことが多いので、今回のように事件になったりして、病気が発見されることもあります。もう一つうつ状態の時に。医師にかかって抗うつ剤を処方されてそれが効きすぎてそう状態に転じて、暴れて大変なことになって精神病院に緊急入院となることもあります。この例は私も1例だけ経験があって、説得して精神病院に紹介したことがあるので、自身の反省すべき経験としてよくわかります。それ以来私は精神疾患はメインではなるべく診察しないことにして、側面的に漢方薬のみで協力することにしています。
非常に才能がある広末涼子さんが自分の病気を告白してくれたので、多くの人がこの病気に理解をもってなるべく専門医でコントロールしてもらうようにもっていくことがとても大切だと思います。なぜなら、これを読んで頂いている人の周囲には軽い例も含めると意外と多く見られます。世の中で功績をあげて急に自殺した人や寝なくても仕事が出来て、次々とヒットするものを生み出していく人などです。精神科の友人に聞いたところ、軽度のそう状態に仕事の時だけコントロールできる人が最も社会にとっても有用で、仕事の効率も高いと言われているそうです。
その状態にするために私自身は、朝葛根湯などの麻黄が入った漢方薬を内服します。麻黄という生薬が葛根湯には入っているので、午前中の外来の間は元気で軽そう状態で仕事ができます。夕方にはもう仕事が終わって休む時間に入るので麻黄が入っている漢方はのみません。
それぞれの方に千差万別の感情の起伏の変化があります。双極的ではあるが病気ではない人もいれば、双極性感情障害と診断できる人、そう状態がなくてうつ状態のみの人、あるいはうつ病の人など様々な状態の人の集合体の中で暮らしています。なるべく、自分に合った医師や薬に出会うことが長く人生を送っていける秘訣と考えます。