院長の独り言
Monologue

2024.9.30

輪島の思い出

 30年位前に、富山医科薬科大学の師匠の寺澤先生のところに漢方の勉強に行っていました。月曜日から金曜日まで勉強して、週末は山中温泉や山代温泉や福井の温泉などにご褒美旅行に行っていました。その中で最も思い出に残っているのが、輪島のねぶた温泉の能登の庄という温泉宿でした。素晴らしいサービスの旅館で、夜には公民館の様なところに連れて行ってもらって、御陣乗太鼓(ごじんじょうだいこ)を見学しました。鬼の面をかぶった人が物凄い鬼気迫る迫力で一つの太鼓をたたくのです。上杉謙信が能登に攻めて来たときに、夜に海藻などで鬼の顔に変装して太鼓を懸命に叩いて、上杉謙信を追い払ったことから始まったとのことです。ユーチューブなどで確認して頂ければその迫力がわかります。朝に車で駅まで送ってもらう時に、「お客さんは旅行雑誌の記者さんですか」と聞かれたので「どうしてですか」と尋ねたら、「一人旅で色々なことに鋭く興味を持たれていたのでそう思いました。」と言われました。人情味にあふれたおもてなしと御陣乗太鼓の迫力と素朴な朝市の風景に今まで行った旅行の中でナンバーワンの旅の位置を占めています。

 その輪島が1月1日の地震で悲惨な状態になり、さらに先日の豪雨でさらなる被害を受けたことに本当に心を痛めています。そんな中でふとあのねぶた温泉能登の庄はどうなったのか心配になって、ネットで調べてみたところ、立派に立ち直っていてクラウドファンデングでも1300万近いお金が寄付されていて、今までのお客さんに支えられている姿がうかがえました。私はとても嬉しくなって、もう一度一人旅で近い将来訪ねてみることを誓いました。「頑張れ能登の人々、心が折れそうになっても希望を持って生きていきましょう。」「私たちも頑張ります。」