2024.6.30
コーチングについて
かつて高校野球を席巻したPL学園野球部の中村監督は選手に手取り足取り教えずに、全体練習を少なめにして自主練習をする時間を多く取ったと言われています。プロ野球でも名コーチは選手が新人で入ってきたらその選手の特徴を尊重して、あまり教えずにいてその選手が壁にぶち当たってコーチングを要求してきたときにのみアドバイスをすることが多いともいわれています。
スポーツにしても医学の世界でも、新人で組織に入って来たときに、なるべく実戦でやらせてみて、本人にプロとしてやっていくにはどうやったら進歩していくのか考えさせることが最も大切であると私は考えています。自分の研修医の時代でも誰も手取り足取り教えてくれませんでした。当時は不満がありましたが今考えてみると、なんでも自分で考えて行動する癖がついたのだと思います。
6月から息子が当院に正式に帰ってきて一緒に働いています。漢方薬については数年前から勉強していてかなりできるようになっていますが、私からはなるべく自分からは教えずにして、本人が聞いてきたら応えるようにして、実際の私の外来を見学させて自分で考えさせるようにしています。1か月経過した現在では、かなり漢方薬の知識もついてきて私の代診もできるようになりました。新しいアイデアも自分で考えるようになってきました。これからも、一人一人の患者さんにオーダーメイドの出来る漢方医に育ってくれることを信じています。