院長の独り言
Monologue

2024.4.28

スモールベースボールから考えること

  最近のプロ野球では、各球団のエースピッチャーと4番バッターが大リーグに行って、日本の優秀な選手ほどいなくなってしまいます。大谷翔平のようにアメリカでホームラン王になる時代で、そのことを日本人全体が楽しんでいます。大リーグに行くと優秀な選手は給与が5倍以上になって、注目度も大きく増すので選手としては当然の行動です。

 その結果日本のプロ野球は大変こじんまりとしてきて、ホームランバッターを育てるよりも守備や走塁やバントがきちんとできてチームの方針に従う選手を沢山育てる傾向になりました。若い選手にチャンスが多くあるようになって世代交代が進みやすい状態にあります。

 新しいプロ野球の楽しみ方は、毎年変わるチームの状態の中でいかに新しい若い選手が力をつけてくるのかを見ていくことではないでしょうか。そして4番バッターのホームランを期待するよりも、いかにして工夫をして1点をとって1点を守るかを見ていく新しい楽しみ方になってきています。いわゆる「スモールベースボール」です。

 日本全体の経済、学問においても同じことが言えるのではないでしょうか。日本はほんの一瞬あったバブル時代の幻想を忘れて、今の状態でどうすれば一番良いのかを考えることが大切な時代になったと考えます。

 過疎化が進む地方においても、多くの若い世代が東京に出て行って一極集中になる中でも、残された人たちでどのようにしたら生き延びていけるのか考えて、工夫をすることが大切になってきたと考えます。