新庄剛志監督に学ぶ
昨年新庄剛志が日本ハム球団の監督になった時は全ての国民が驚きました。長年活躍したベテラン選手を首にしてからの就任だったので、ほとんどの試合で負けるか、勝ってもたまたま勝った感じのゲームが大半でした。新庄監督は阪神で活躍した後に安い給料で大リーグに挑戦して活躍しています。人気のない日本ハムに請われて移籍して、派手なパフォーマンスでファンを増やして球団の経営改善に貢献しています。その味をしめたのか今回の監督に要請した日本ハム球団の英断にみんなが驚いたのです。コーチの経験もなくて、野球界から去ってからはバリ島でのんびりと暮らしていていた新庄が日本に帰ってきて、2軍の試合などを見学して監督業に興味を持ったのでしょう。
指導者としての経験のない彼ですが、いつも新しいことにチャレンジしてきました。大リーグに行く時も最近の選手の様に大金をつぎ込まれた訳でもなく、ただ新しいことにチャレンジしたくて海を渡って成功しています。今回も監督になって昨年は全く歯が立たなかったけれども、飴と鞭で選手をじっくりと育てました。今年に入ってからは、育てた若い選手が活躍するようになって、現在4位ですがお金をかけて選手を集めているソフトバンクなどを苦しめています。近藤健介の様な主力選手が抜けても平気で戦っています。采配も極めて新しい感覚で、選手と一体となった戦い方は素晴らしいの一言です。また、他球団で使い物にならなかった選手も拾って立派に戦えるように育てています。
今の日本は確かに国力も落ちてみんなが自信を失っています。世界一の少子高齢化という大きな波が日本を飲み込んでいます。先日、島根県での唯一の百貨店である一畑百貨店が来年1月で店を閉じることが発表されました。百貨店がない県は山形県、徳島県に次いで3番目となってしまいました。東京銀座の百貨店に行くと外国人でいっぱいです。円安とコロナ後で大繁盛です。私が生まれる少し前に一畑百貨店が開業していて、年に1回くらい一畑に行くのが大きな楽しみでした。田舎の村で育ったので何が一畑で売られているのか見るのが楽しくて、欲しいものを買ってもらえなくて駄々をこねた自分を覚えています。飛行機、新幹線、自動車でいつでも田舎から東京にいける時代なので、品ぞろえの豊富な大都会の百貨店で大きなものは買う時代になってきました。また、ほとんどの物がネットで購入できるので何も不自由がありません。
しかし、このままでは地方が衰退してしまいます。ネット通信や便利になった交通網を逆に利用して、もっと観光に力を入れたり、地方で開発した技術や商品を逆に全国に発信して、都会の人たちに来てもらったり、購入してもらうことを積極的に考えないと地方が生き残れない時代になったと考えられます。
新庄剛志がいつも私たちに示してくれている様に、失敗しても良いからまずはチャレンジしてみることが大切で、その一歩の踏み出しのみが成功の秘訣と私は考えます。家柄や学歴など既存の成功すると言われてきた要素は何もいりません。ただ情熱を持って誠実に一歩を踏み出しましょう。踏み出したらひたすら続けることです。失敗したらまた別の方法で何度でも踏み出しましょう。それが今はやりのSDGs(Sustainable Development Goals; 持続可能な開発目標)に沿った生き方になるのではないでしょうか。