史上最強に元気になる補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
今回も有名な漢方薬について述べてみます。エキス漢方薬の中で最強の元気になるのは補中益気湯(ほちゅうえっきとう)であると考えられています。漢方で中は横隔膜からへそのあたりまでを指していてほとんど消化機能のことですが、補中益気湯は中を補い気を益す薬で名前の由来を聞いただけでも元気になります。この薬の中に薬用人参が4g、黄耆(おうぎ)が4g含まれています。この人参と黄耆の組み合わせが最高の体を元気にする漢方薬で、医師が処方するエキス漢方の中では、この補中益気湯が最高の量が含まれています。
この薬用人参と黄耆が入っっている漢方薬が、元気がなくなって気力も落ちた時に内服すると多くの人は元気を回復します。補中益気湯は少し強い薬なので下痢をすることもあり、少し弱めの十全大補湯(じゅんぜんだいいほとう)や人参養栄湯(にんじんようえいとう)などがあります。人参と黄耆の量や他に血の巡りを良くしたり、胃腸を丈夫にしたりする漢方薬が加えてあってそれぞれの特徴があるのです。このように患者さんを元気にする漢方薬を補剤といいます。患者さんの虚弱度や体調の特徴を分析してその人に合った補剤を決めていきます。
漢方薬は生死をさまよっている人には無力ですが、その手前の患者さんにはとても有効で、そのようなステージでの薬は西洋薬にはありません。いくら科学が進歩しても化学物質で弱った人間を元気にする薬が出来るのは当分先の話で、何年経っても無理かもしれません。現在漢方薬の教育も整ってきて、ほとんどの若い医師は漢方薬を使っています。西洋薬の欠点を漢方薬が補っているのです。
数ある漢方薬の中でも補中益気湯が最高に人を元気にする漢方薬ですが、先月説明した八味丸との違いは、八味丸は長い人生でバッテリーの様に働いて、その生命維持装置のメインテナンスをする様な薬で、補中益気湯は今すぐ体を元気にするガソリンの様な漢方薬で急性に効果を発揮します。政治家の選挙期間中に疲れがたまった時などには最適です。これから年末に向かって忙しくなって元気に頑張らなくてはいけない人に、強い順番に補中益気湯、十全大補湯、人参養栄湯などの補剤はお勧めです。ほとんどのかかりつけ医で処方が可能で、どこのドラッグストアでも売っています。皆さんの生活の手助けになれば幸いです。