院長の独り言
Monologue

2006.3.4

腹八分目で長生き

江戸時代に活躍した貝原益軒という医者がいて、当時の時代(1630-1714年)で84歳まで生きて、最後に自分が長く生きた秘訣を「養生訓」という本にのこしています。そこには様々な養生の秘訣が書いてありますが、最も大切な項目は「珍味の食に対するとも、八分にてやむべし。十分に飽き満るはのちの禍あり。」です。腹八分目の食生活が最も大切な長生きの秘訣ということです。腹八分の生活は、現代人に多い生活習慣病の糖尿病や高脂血症による脳梗塞、心筋梗塞の予防につながります。益軒は食欲のみでなく、すべての欲を八分目にとどめることが長く生活する上で大切だと言っています。「満ちた月はかける」という言葉がありますが、出世の上でも金銭的にも満腹という状態は凋落の始まりであることは歴史が証明しています。出雲流に何でもほどほどに「ぼちぼち」という言葉が、その人や組織が長く生きていく秘訣なのかもしれませんね。小生もクリニックが満杯状態にならないように、ほどほどの状態で、一生懸命患者さんの役に立つ身の丈ほどの医療を心がけています。45歳を過ぎてやっとこの心境になりました。