院長の独り言
Monologue

2020.6.21

新型コロナウイルス流行後の日本人

前回の独り言でも述べました様に、ほぼ新型コロナウイルス感染との第一の戦いは終わりました。色々な学者が第二波が来ることを言っていますが、私自身は第二波は来てもとても軽微な流行になると思っています。スペイン風邪の時は第二波の時の方が死者が多くて、それを心配している人もいますが、100年前と今では医療レベルも違うし、人々の備えも違うしましてやcovid-19の正体が徐々に明らかになっている現在では、少し強めの悪性の風邪くらいに思っていれば良いのではないでしょうか。いずれにしても体力をつけたり、漢方薬の葛根湯や補中益気湯などを朝1回だけでも内服して、自分の自然免疫を高める備えをしていれば決して怖いウイルスではないと考えます。また繰り返しになりますが、発熱をしても決して解熱剤を内服しなければ若い人であれば自然免疫がウイルスに打ち勝ってくれます。
   そこで問題となってくるのはコロナで日本の経済が変わって来たということを一人一人が認識しなければいけません。そこにレストランがあれば客が来てくれて、クリニックを開業すれば誰でも成功する時代は終わってしまいました。いつも日本は黒船や戦争に負けたりして外圧で世の中を変えていきましたが、今回は新型コロナウイルスという感染症で日本が変わらざるをえなくなってなってきます。旅館やレストランを経営していて客の喜ぶ顔が見たくて日々努力をして、食事の味を研究して行く人は今後も残ってくでしょう。クリニックを経営していて、患者さんの立場に立てずにいつもふてくされているような開業医は、向かないのでさっさと勤務医に戻るか医師として別の仕事は沢山あるので、早く変わった方が良いと考えます。また、勤務医であっても患者さんとトラブルを繰り返す医師は病院を去ることになるでしょう。医師という仕事は大変な献身的な仕事であるので、どんな性格をしていてもただ一つ患者さんの為にと思って働いている医師は残っていくでしょう。献身的にふるまえない人はその性格は変わることはないので、患者さんと接しない仕事が沢山あり、そこは未だに医師不足であることが多いので転職を考える時期が早く来ると思います。
   私自身は医者を天職と思っていて、生きていくために医師としての仕事をしていると思ったことは一度もなく、病気が軽快して笑顔を患者さんがくれる医師としての仕事をするために生きていると思っています。ですから認知症にならなければ生きている限りは医師として働くと思います。本当のことを言うと外来で多くの患者さんの訴えを聴くことは大変辛いのですが、私が漢方薬を出して少しでも症状が良くなって、「先生のお陰で良くなりました」と言ってくれるその一言が聞きたくて日々研鑽を重ねています。西洋医学の薬は開業医レベルの薬は簡単で誰が処方してもあまり変わりがありません。ですが、食事療法を毎回丁寧に根気よく行ったり、暗くなっていたら冗談の一つも言って明るくしたり、症状があれば漢方薬で軽減したり、患者さんが重い病気にならない様に自然免疫を高める治療を先手でしたりすることを積み重ねて、多くの患者さんがコロナが流行していても来院してくれるのです。
  私は医療のことしかわかりませんが、どんな商売も基本は同じではないでしょうか。戦後豊かになりすぎで、一生懸命に働くことを少し疎かにして、安易に金儲けをしてきた日本人に新型コロナウイルスという生物が教えてくれているのではないでしょうか。コロナ後どうすれば良いかは決まっています。仕事でも家庭でも自分の出来ることを一生懸命に行うこと以外にこの難局を乗り切る技はありません。
  商売で得るお金は単価 X 数=売上であることは古今東西同じです。バブルの時代は単価を大きくしても何でも売れましたが、これから少なくても10年は単価を下げて、多くのお客さんに利用してもらって、客に喜んでもらうことに喜びを見出して、そのことに自分のプライドを持つようにすれば、少なくても生きがいを持って生きてはいけるし、数年後に必ず結果はついてくるはずです。そのことを信じてもう一度自分自身を、そしてこの日本を立て直してみませんか。長い歴史の中で数々の難局を乗り越えてきた日本人にはそれが出来るはずです。