新型コロナウイルス(武漢かぜ)終息
今回の新型コロナウイルスの流行による死亡率は、圧倒的に西洋人に重症患者が多く認められました。日本、韓国、中国などの東洋人に死亡率は欧米に比べてかなり少ないことは不思議なようですが、コロナ以外でも重症度が欧米と東洋人では違うものが多数あります。遺伝子の違いがそうさせるのかまたは気候などの環境の影響なのか、一説によるとBCGの接種の有無も言われていますが、このことは後の研究にゆだねるとして、少なくても日本では重症患者が圧倒的に西洋よりは少なくてインフルエンザよりも軽いウイルス感染症であることもはっきりしてきました。日本ではPCRが出来なくて発見が遅れて死亡に至った不幸な人たちがいたにも関わらず、これだけの死亡率に抑えられたのは、日本人の民度の高さ故のことだと私は思います。
当院は全国から患者さんが肥満に伴う高血圧、糖尿病、高脂血症、心臓疾患や難治性のアトピー性皮膚炎などで通院されます。緊急事態宣言が発令されてからはさすがに東京からの患者さんには遠慮していただきましたが、中四国、関西からは来院させていました。批判の声も耳にしましたが、当院にくる患者さんは遠くから来院するハンデイーがあるだけに極めて民度が高く、礼儀正しくて常識的な人ばかりです。私は防護服、N95マスク、時にはフェースガードをつけて診察をしていましたし、受付にはアクリルカーボンでガードをしたり、アルコール消毒液やサージカルマスクなども高値で潤沢に購入して、以前から使用していたair successというウイルスや臭い花粉などを除去する機器の台数を増やしまして万全を期して診療していましたので、コロナが怖いと思ったことは一度もありませんでした。近所の高齢者の患者さんには2~3か月の処方を行って出来るだけ当院に来院しない様に指導していました。経費にすると100万はかけたと思います。今回は近所の患者さんも遠くの患者さんも適切な来院をしてくださったことに感謝を申し上げます。
今後はどうなるかの緊急事態宣言の間に風邪などの患者さんも含めて、最も多くの患者さんを診察した私の肌感覚で申し上げますと、今回の第一波はこれでしばらく終わりになると思います。東京大阪で緊急事態宣言を発令して2週間経過しても患者数が減って来なかったのは、このウイルスが終息する時期ではなかったということなのです。今現在、日本全国で危機感がかなり薄れているにも関わらず患者数が激減しているのは、梅雨をまじかにして全ての冬の風邪のウイルスの季節ではなくなり、夏に季節が変わろうとしているからなので。.第2波は今年の冬になることが予想されてそれまでにワクチンが市販されることを期待しますが、インフルエンザでもワクチンの有効率は60~70%です。PCRを保健所がかなり出来るようになった現在では、PCRを行うような発熱の患者さんはほとんどいなくなりました。神戸中央市民の無作為の患者さんに新型コロナの抗体検査を施行したら3%が陽性であったことは皆さんご存じだと思います。結論から言うとこのウイルスは日本人には極めて軽症に終わる患者さんが多くて、まれに重症になってアビガンなどがまだ投与されていなかった時に、一番の致命傷は医師が解熱剤を処方したということだと思います。漢方薬の麻黄湯がタミフルと同等の効果を上げていることは結構な人がご存じだと思いますが、これはウイルスに直接作用する効果は弱く、自分の体温を上げてNK細胞などの免疫細胞が適切に働く温度まで上昇させて自分の細胞がウイルスを退治してくれるのです。漢方医は熱が出た時に決して解熱剤は使いません。もし、一時的に解熱させるとその時は体が一時的に楽になりますが、体温がせっかく上がってウイルスと戦っているのに敵に塩を送るようなものなのです。新型コロナの患者さんが入院してきて、何も投与する薬がない時に38度以上の熱が出た時の頓服の指示で解熱剤を出す医師が未だに多いことは免疫学をもう一度勉強しなくてはいけません。私が研修医の時に行っていた医療が未だに続いているのです。なぜ元気な高齢者が新型コロナで死ぬのでしょうか。それは若い人よりも基礎代謝が落ちて体温が低いからなのです。糖尿病や抗がん剤を投与している人は免疫細胞が虚弱であるからです。免疫機能をアップする補中益気湯がコロナに効果があるのは、NK細胞などの免疫細胞を活性化させるというエビデンスがはっきりしているからです。普段から葛根湯を内服しているとコロナにかかりにくいと申し上げたのは、基礎体温を上昇させるエビデンスがあるからなのです。ちなみにニュースにはなっていませんが、毎年インフルエンザに罹患して抗インフルエンザ薬を投与してもご逝去させる患者さんは沢山いて、私も過去に一人新型インフルエンザの時に経験しました。熱が出てインフルエンザと診断して意識がすぐに低下したので入院して1~2日で永眠されるました。インフルエンザは極めて怖い病気で、もし新型インフルエンザが新しく流行したら、流行期間は短いのですが1万人以上の患者さんがお亡くなりになることでしょう。今回のコロナ騒ぎは少なくても日本ではマスコミの特にワイドショーが視聴率欲しさに騒ぎすぎで大きくなったもので、コロナは落ち着いても経済の打撃は大きくてかなりの業種はなくなって、代わりにたくましく新しい産業が大きくなることを予言しておきます。
マスコミというのはいい加減なもので、自分たちが思い切り騒ぎにしておいて、おさまってくるとそのことの検証はなく、しれっとしてコロナ後の経済の立て直しの話題に移っています。
今後のことですが、今まで医療機関に入り浸っていた多くの高齢者はコロナ後にはあまり病院に行かなくても出来るんだと解り、高齢者の医療費用はがくんと減ると思います。逆の意味で医院の経営が厳しくなってくるでしょう。当院でも4月は15%患者数が減りました。高血圧と高脂血症の薬を1か月でもらっていたり、リハビリに入り浸っていた患者さんは、2か月に一度でも出来るんだと理解したことでしょう。
また、今まで無駄に何かをしていた人々は自粛生活の中で、本当に自分に大切なお金の使い方は何であるか解ったことでしょう。この民度の高い日本人が自分の手持ちの年金や給与の中で有効的なお金の使い方を理解して、新しい優れた民族国家を形成していくことを私は信じています。特に医師は予算に占める医療費を減らすために、製薬会社に気を使うことなく、ジェネリック薬品を積極的に使うべきだと私は考えます。古来から数々の困難を切り抜けてきた日本民族はたくましく、こんなことでは決して根を上げないことを皆が知っていますし、災害の多い日本であるからこその民族の強さなのです。
最後に日本人の民度の高さに私は救われましたが、特に島根県は日本一貧しい県で過疎化も日本一であるのも関わらず、今回のコロナ騒ぎでの県民の対応は日本一の気高さであったことを私は感じました。島根に生まれて、島根で仕事をさせてもらっていることを私は誇りに思います。今回のテレワークやウエブでの会議や授業などの結果を見ても島根でも東京に負けない仕事は可能であることがはっきりしました。都会暮らしに疲れた方は是非島根に移住して来てください。移住者にはタダで住居を提供するような自治体も沢山あります。私は現在4500人の新患が13か月待ちで待機しています。この島根の地にまだまだ患者さんを呼んで来て、ホテルやタクシー、レストランなどの町おこしに貢献して行きたいと思っています。