院長の独り言
Monologue

2020.4.23

新型コロナウイルス(武漢かぜ)対策:日常生活編

前回は新型コロナウイルス(武漢かぜ)に対しての漢方薬の役割について述べて、たまには医者らしい文章を書いたなと思っています。患者さんからも大変好評であったので、今回は武漢かぜに対抗する日常生活の注意点について述べてみます。
  今回の新型コロナは世界のウイルス学の専門家によると、従来のコロナウイルスの分子構造と遺伝子が4つ変わっていて自然に変異したものとはかけ離れているらしいのです。武漢にウイルスの研究所が2か所あって、1か所は山の上にあり、もう一つは今回流行が始まったところにあって今は取り壊されているようなのです。最初の頃にネットでそれらしきことを訴えた心ある中国の医師や研究者は全て死ぬか行方不明になっているのです。このウイルスは中国が化学兵器として開発していて、その途中の段階で失敗作が動物を介して世の中に出てしまったというのが現在での世界の科学者の大方の意見の様です。
  また、昨年冬から今年の初めにかけてインフルエンザが近年で最も少なかったという事実もあり、武漢風邪が急速に勢力を伸ばしてきたと言われています。人間の扁桃には一つのウイルスが最初に縄張りとして占めていると他のウイルスは入りにくくなるとの性質があります。もし今年日本でインフルエンザが大流行していたら、コロナはこんなに騒ぎにならなかったかもしれません。インフルエンザほど流行の速度が早いウイルスはありませんが、インフルエンザには重症でなければ効果のある薬が沢山あるので恐いとは思わないのですが、結構な確率で薬の効果がなくて死に至る例は多々あります。毎年約1000万の人がインフルエンザに罹患して、インフルエンザの毒性によっても異なりますが約3000人の方がお亡くなりになります。武漢風邪は流行のしやすさはインフルエンザよりも低く、死亡率は2~3%と考えられているので、100万人の感染で2~3万人、10万人の感染で2~3千人の死亡が予想されます。10万の感染に抑えるとするとインフルエンザで3千人の方がお亡くなりになる代わりに武漢風邪で3千人の方がお亡くなりになると考えるとすると少し気が楽になりませんか。人工的に作られたウイルスの特性のためかそれとも既存のコロナウイルスの感染もPCRが拾っているのかわかりませんが、軽症者が80%いて20%が中等から重症者で二つのタイプがあるとも言われています。今後の研究の成果に期待するところです。
  次に武漢風邪の予防に関して今までの経験を踏まえて何が一番大切なのでしょうか。マスク、密な所へ行かない、手洗いなど多くのことが言われていますが、武漢風邪はインフルエンザよりも流行しにくいことと現在での日本人のマスクの着用の確率の高さから考えて飛沫感染はかなり防げているのではないでしょうか。代わりに罹患している人が接触したところに非感染者が接触しての感染が増えているのではないでしょうか。マスクなどの飛沫対策がしっかりしている病院での院内感染が多くなっているのもその証拠ではないかと考えます。
  外科医はいつも手術の際に清潔区域と非清潔区域の区別をする習慣がありますが、普通の人にはなかなか難しいものです。例えば、電車のつり革、スーパーでのかごや商品は誰が触っているかわからないので非清潔なものです。ドアノブももちろんそうです。それらを触った手は非清潔と考えなくてはいけません。スーパーに出入りする時は必ずアルコール消毒をして、家に帰ったら人が触った可能性のある袋は全て即座に捨てて、野菜や果物はすぐに洗い、最後に再び自分の手を消毒してから日常の料理や家事に入る必要があります。スナックやクラブなどお酒を飲むところが多くのクラスターになったのも、従業員と客がお互いに素手でコップに触って感染が成立するのではないかと考えています。その証拠に愛知県で武漢風邪に罹患して人に移してやるとスナックに飲みにいって、隣に座った女性には移らずにその人が待合のソファーに座っていてそのソファーに座って触った女性に移ったのが何回もテレビで放映されていました。
  これからのコロナ対策はマスクは日本人の清潔感から今のままで十分で、外出禁止ももう限界に来ていて禁止してもまだまだ十分に減ってない状況を考えると、大切なのはそこではなく外での徹底的な接触を避けることと、外のものは全て非清潔なものと考えて手洗い消毒を完全に履行することではないでしょうか。そこで私は外出や食堂に行く際は手袋をつけることを勧めます。かつてヨーロッパの社交界では紳士淑女はみんな手袋をしています。高級ホテルのドアマンや結婚披露宴などのホテルマンも手袋をつけています。これは紳士のマナーであるので自分の手袋を買って、消毒したり洗濯したりして外出時は常に清潔なふるまいを心がけてはいかがでしょうか。
  この文章を多くの人が読んでくださって出来るだけ早く武漢風邪がおさまってくれることを強く願っています。日本には四季があり、温かい時があれば寒い時もあり、悪いことがあった時は未来を信じて歯を食いしばって頑張ることが出来ます。また、災害も多くて常にどこかの地域が被災しています。そんな時も地域のみんなで支えあって生きているから日本人は世界の人から尊敬されるのです。時々武漢風邪に罹患した家族を差別した行動に出る人がいますが、そのことは最も最低の人格であることを世間に公表しているようなものです。常に自分が感染者になる可能性もあることを考えて軽率な行動は慎むべきです。苦しい時も笑いのある愉快な人は、白血球の免疫を担っている細胞が活性化してコロナ対策にもなることを信じて、この暗闇には必ず夜明けがあることを信じて頑張ってください。私も土建屋の家に生まれて何のために医師になったのか。多くの人々を救うためになったのではないかと常に自分を戒めて、医療の最前線で毎日戦っていく覚悟です。