新型コロナウイルス(covid-19)に対抗して
新型コロナウイルスが猛威をふるっています。漢方薬を主として治療を行っている私としての私見を述べてみたいと思います。
体の中にウイルスや細菌が入って悪さをした時に、西洋医学では細菌には抗生剤を投与して、ウイルスにはそれに効果のある抗ウイルス剤を投与します。インフルエンザにも抗インフルエンザ薬もあるのに日本で1万人近くの人がインフルエンザをきっかけとして永眠されます。これは人間の免疫システムが虚弱な人にインフルエンザが侵入すれば、いくらウイルスの増殖を抑える抗インフルエンザ薬を投与してもウイルスに打ち勝てないからです。西洋医学では単一的に薬の効果を発揮しますが、人間全体の免疫力を高める薬はありません。免疫を抑制する薬は沢山あり、人間の免疫システムが過剰に反応するリウマチや膠原病などには効果を発揮します。西洋医学には免疫を高める薬はないのです。
一方、漢方薬はどうでしょうか。漢方薬には人間の免疫を高めて虚弱な体を治す薬があるのです。補中益気湯、十全大補湯、人参養栄湯などがそうで、黄耆と薬用人参が含まれています。また、薬用人参が含まれている漢方は六君子湯、茯苓飲、人参湯、麦門冬湯などさらに沢山あります。古来から、直接的に細菌やウイルスに効果のある薬がなかったので、自分の体を丈夫にして病にかかることを予防したのです。これらの漢方を内服していると病が入った時の抵抗力が増して重症になることを防いでくれます。まさに、昨今の新型コロナウイルスにかかった時の重症化を防ぐ唯一の切り札になると思っています。
もう一つ、新型コロナウイルスが入りにくくする漢方薬はないのでしょうか。実はあるのです。麻黄という生薬が入った漢方薬です。私は煎じ薬でよく使いますが、既製品のエキス剤では葛根湯、麻黄湯、麻黄附子細辛湯、越婢加朮湯、麻杏甘石湯、小青竜湯などがそうです。これらの麻黄剤を内服していると、体温が少し上昇して体内のNK細胞などの白血球が働くようになって、高齢者などの免疫が弱っている人の新型コロナ対策には最適なのです。私は診察前に必ず黄耆と麻黄が入った煎じ薬を服用して、葛根湯エキスも内服しますので、新型コロナウイルスに罹患する気がしません。当院の職員にも全員に葛根湯か補中益気湯を内服させています。
どこの都道府県が多いからそこに行くときは注意するとか職業差別をする前にドラッグストアでマスクの代わりに葛根湯を買って毎日内服して鉄壁の体を作っていってはどうでしょうか。因みに私はここ32年インフルエンザにも熱の出るような感染症には一度もかかっていません。これだけ多くの患者さんを診察しているのに不思議なことです。毎日何らかの漢方薬を飲み続けているお陰だと思っています。
世の中にはそれに接触して自分が壊れていく様な事柄や人物も沢山あります。しかしながら漢方薬で自分の虚弱さを補強するように、自分の心を鍛えて行けばよいのです。病院という所は色々な人が来院されます。時には自分の心が乱されてしまうような人も来院されます。どんな人が来られてもしっかりと自分を持って自らの信念を曲げない様にする日々の心と体の手入れとトレーニングが必要と考えています。この先コロナが一段落するには少なくても2か月はかかることでしょう。私は漢方薬という素晴らしい道具があるので、神様が与えてくれた一つの修行の場と考えて頑張ってみます。