院長の独り言
Monologue

2019.12.10

時代の流れに逆らっているのはどちらでしょうか

島根県が子育て支援の学童を6時から7時に延長するための予算を獲得するために、現在の学級編成を小学1年2年を現行の30人(国の基準35人)から32人に、それ以上の学年を現行35人(国の基準40人)から38人増やす決定をしました。そのことに対して働き方改革の時代の流れに逆行していると出雲市教育長と市長がコメントしています。また松江市はPTAを先導して何も理解できてない保護者に署名活動をさせて反対運動をしています。島根県は破産寸前であることを考えると何とかして働きながら子育てを支援しようとする今までにない、県知事の決断であると私は支援します。上杉鷹山が破綻していた米沢藩の財政を立て直したことを私は思い出しました。
 我々医師の世界で患者の命が大切か医師の働き方が大切かと問われた時に、医師の働き方と答える医師は誰もいません。だから若くて未熟であっても先生と呼んでくれるのです。私の母も教員でしたが、聖職であることを全うして誇りをもっていました。しかも2~3人学級が増えたところでどんだけの負担増になるでしょうか。当院の職員に聞いてみたところ、全ての子育て中の職員が学級の人数を増やしてでも学童の延長を望んでいました。しかもこの少人数学級を何年もしても教員の負担は減っただけで、現在でも相変わらず島根県の学力は全国でほぼびりです。保護者のためと松江市と出雲市は言いながら、明らかに教員の負担軽減に狙いはあるのです。
 これからの時代は少子化問題が最も日本経済に直結するものであり、どれだけの子育て支援をしてなるべく子供を沢山育てて欲しいという方向に行政は行くべくではないでしょうか。しかも学級の人数を2~3人増やしても全国平均では上位にいることが出来るそうです。お金のない島根県がどうして教員の働き方の環境においてトップでいる必要があるでしょうか。その点において島根県を批判した出雲市長と教育長と松江市長と教育長の行動においては、いったいこの人たちは日頃住民の声を聴いているのであろうかと疑問に思います。小学生の子供をお持ちの保護者はお判りでしょうが、最近の通知表の人物評価のコメントは教員が大変だからといって面接での話があるだけのようです。教員の負担を取るのは学級の人数を2~3人減らすよりも学校に出す教員の提出物の削減などもっともっと項目があるのではないでしょうか。
 行政のトップが住民を見ているのか、自分の部下たちの働き方改革に重きを置くのかそれぞれ違った意見があっても良いとは思いますが、少なくても住民の選挙で選ばれた首長は住民を見ていて欲しいと私は思います。島根県知事は県内を回って住民の生活を見て住民の声を聴いての判断で、松江市と出雲市長と教育長はただ国の教員の働き方改革を見ての判断です。どちらがトップの正しいトップの判断であるのか考えてみてください