院長の独り言
Monologue

2019.8.1

石川遼の優勝コメントから

石川遼が3年ぶりにゴルフトーナメントで優勝しました。しかも日本プロゴルフ選手権というメジャー大会での優勝です。石川遼といえば、高校生でプロのトーナメントで優勝して以来、日本中で大人気となって出る大会出る大会で活躍して何度も優勝をしました。また勝ち方もかっこよくて誰もここから狙えないというような離れ業を使ってのゴルフでした。その後松山英樹と共にアメリカに渡って、松山は大活躍をしていますが、石川は5年間鳴かず飛ばずで帰国して、3年前に一度優勝はしましたが、その後もスランプが続いていました。
 今回のゴルフはいつもと違い、失敗しても失敗しても何度も何度もリカバリーをしての粘り強いゴルフでの優勝でした。
 優勝が決まってからの鳴きながらのインタビューでの彼の言葉の一つがとても印象的でしたので紹介します。「10代の頃に優勝していた時よりも体は衰えているのに、自分では同じような体力であるとおごっていました。最近そのおごりに気が付いて基礎体力から鍛えなおして、ゴルフの考えも昔のように無茶はしなくなって、本日やっと勝つことができました。」
 私はこのブログでも成功している時のおごりこそ最大の敵であると言ってきました。人間ですから愚かなものであり、すぐに忘れてしまうものですが大きな失敗から立ち直った時には比較的長く心に刻まれるものです。
 プロ野球の世界でも毎年多くの若者がプロの世界に足を踏み入れます。アマチュアではほとんどの選手が4番バッターであったり、エースピッチャーであり人に負けたことがあまりないはずです。ところがプロでは自分よりもパワーがあってホームランを量産する選手は沢山います。そこでいつまでも自分のパワーに頼った野球をしていてはいつまでたってもレギュラーにはなれません。一時的になってたまたまホームランを何本も打つことが出来たことに勘違いをして、バットを振り回して調子を狂わせて消えていく選手は何人もいます。
 スポーツのみでなく、人間は自分の身のほどを知っておごりを捨てて謙虚になることがどんなに大切かを、石川遼やスポーツ選手は教えてくれています。石川遼を見ていると、賢くて正直で天性の素質とスター性があって、果敢に挑むチャレンジ精神もあり、そこに初めて謙虚な気持ちが加われば名実ともに日本のトッププレイヤーになるであろうと思います。
 人間社会において、その人のためを思って批判的な批評をしてくれる人は誰もいないと思った方がいいです。もしいたらそれは大変貴重な存在ですが、出来れば自分自身が自分の一番の批判者になっていくことが、どの世界で生きていく上での成功の秘訣と言えるのではないでしょうか。