院長の独り言
Monologue

2019.7.4

ピンチの時こそ笑う

15年前に島根県で剣道のインターハイが開催されて大社高校剣道部が全国3位になりました。。その時に私が体のメインテナンスをしてた土江優太君が先日訪ねて来てくれて一緒にご飯を食べました。彼は頭の良くて現在は三井住友銀行の東京の支店で部長代理を32歳の若さで勤めています。焼き肉を食べながら2つの質問をしてきました。
 一つはピンチの時にどう考えてどう対処するかとの質問でした。さすがに若くして苦労をしながら10歳下の弟の大学の生活費や学費も出してやりながら出世しているだけあって、核心をついてきた質問でした。私の答えは、ピンチの時こそ笑えということでした。私の経験からいっても人間がピンチに陥った時は当然うつ状態になって、周囲の人も気を使って離れていきます。それでさらに孤独感が襲ってきて、良い考えも浮かんできません。うつ状態になると脳血流も低下するというデータもあります。そこでピンチになったらとりあえず何も考えずに笑う行動を起こすのです。私はとにかくそのピンチを人に隠さずに周囲の人に話すことにしています。人に話せばばれて恥ずかしい思いをするのではないかとの心配もなくなり、明るい方向性が見えてくるものです。落語を聴くことが好きなので古今亭志ん朝の落語を聴いて、落ちがわかっている所で思い切り笑います。ダウンタウンのお笑い番組を見るのもいいでしょう。考える前にまずはピンチから脱出した時のイメージで笑うのです。不思議なことに自分が悩んでいることが大したことではなくて、自分の注意力や力の不足から生じたものであることがわかってきます。そうなると「ケセラセラ」の精神です。どんなことがあっても、この法治国家の日本で殺されることはないし、大抵のことは時が解決してくれます。ここでまず何をしなければならないかもはっきりしてきます。剣道でいう捨て身の技はどんな剣士も怖いもので、自分の得意技になってくることも多いものです。一度ピンチから脱出した経験をすると2回目3回目と回を重ねるごとに力もついて来て、ピンチを楽しむようになってきます。多分、世の中で成功したほとんどの偉人はこのような法則を自分なりにつかんでいったのでかないかと推測します。
 もう一つは一生懸命に仕事をしていてまずまずの調子ではあるのだけれども、モチベーションが保てなくなった時はどう対応したらよいかという質問でした。
 これは私独特のやり方ですが、徹底的に自分に投資をしたり今までの働きに対して自分にご褒美をあげることにしています。普段からやりたいと思っていたサークルに入ってみたり、オペラや歌舞伎を見て感性を磨いたり、ジムにいったりペットを飼うとか、何でも自分自身のソフトにお金を使うのです。ギャンブルはだめです。ほとんど負けるので逆にストレスが増えていまいます。私は今年の2月に全額6年ローンでロールスロイスを買いました。建物のローンが無くなって少し安心しかけていたところでしたので、少なくても後6年が頑張らないといけなくなりました。当院は職員の福利厚生もしっかりしているし私がいつも無駄な器械を買ってしまうので、こんなに患者さんが多いのになかなかお金が残りませんが、私はそれで良いと思っています。患者さんを安く診断して治療を行って、それで職員も幸せになれば言うことはありません。
 今回、前途有望な若者にアドバイスできたことを紹介しました。何かの参考になれば光栄です。