院長の独り言
Monologue

2016.2.28

幸せの連鎖。

2月25日にすぎうら医院の中山真美先生が主催する「出雲おうちの食支援」の講演会が出雲で盛大に行われました。中山先生は2年後に島根県立大学看護学部食物科の教授になることが決まっていて、今後の島根県における在宅医療での管理栄養士の役割についての先進的な取り組みについて講演されました。
 また、私の松江北高時代の剣道部の1学年後輩の川本町の加藤病院院長の加藤節司先生の特別講演がありました。その加藤先生が紹介してくれたハーバート大学が行った卒業生268人の75年間の追跡調査の論文が、今後の皆さんのとても参考になると考えましたので紹介します。
 268人に毎年、健康診断と心理テストを行って、仕事、結婚、離婚、育児、老後などの彼らの人生を75年にわたって調査したものです。
 加藤先生が紹介してくれたのは、自分が身近な周囲の人を幸せな気持ちにさせてあげれば、その人がさらに自分の身近な人を幸せにしてあげて、幸せが凄いスピードで連鎖して行き、それは不幸の連鎖よりもはるかに早いスピードで広がっていくというのです。必ずしも成功者が幸せであるのではなくて、自分が周囲の人をどんどん幸せにして行く結果として成功者となっていくという理屈です。
 大変興味深い話で、以前にラジオで聞いたことがあって彼が思い出させてくれました。
 論文をネットで一部読んでみると。暖かな人間関係を築いている男性はそうでない男性よりも年収が高く、専門分野でも成功を収めた人が多かったとのことです。
 また、金銭は生活に必要なだけが確保されていれば、それ以上は必ずしも幸せにつながるとは限らず、むしろ思いやり、感謝、希望、信頼、寛容さなどポジテイブな感情が人の幸福に効果をもたらすとされています。
 IQ110と150以上で年収の差はなかったとのことです。つまり成功することとIQはほぼ無関係であるということです。人間ほどほどの頭脳があれば何とかなるという話でホッとします。
 人間は先祖からもらったかけがえのない遺伝子をそれぞれが持っています。自分自身の遺伝子がこの世に生まれたことはほぼ奇跡であります。自分が恵まれていないとか、人がうらやましいとか言う前に、ほんの身近な人をとりあえず幸せにしてみませんか。その人がその幸せな気分を周囲に伝えてどんどんと幸せの輪が広がって行きます。その随分先の結果としてあなたは成功者となる資格が出てくるのです。決して自分だけが幸せになろうとは考えては行けませんよ。そう思った瞬間から幸せはあなたから逃げて行くのですから。