院長の独り言
Monologue

2015.3.1

何歳まで働くんだろう。

少子高齢化が進んで来て、2020年のオリンピックイヤー位から団塊の世代が後期高齢者に入って来て病気も増えて、年金受給額も最大となってくることは避けることができません。政府もなるべく医療費が少なくてすむように地域包括医療制度などという素人にはわかりにくいシステムを構築しようとしています。
 要するに高額の医療費となる大病院への入院日数を減らして、なるべくリハビリ病院や在宅医療へシフトさせて安い医療の日数を増やそうとの試みです。その趣旨は理解できるし協力もしようと思いますが、そもそも病気にならないようにして、年をとっても元気に働くようにすれば年金受給も減るし、大病院での治療費も下がるのに誰もそこを協調する人はいません。
 今では大腸がんや胃がんになっても早期であれば医療費は10万円位で治療できます。進行がんになって手術をすれば抗癌剤も含めると500~1000万位の治療費になることが予想されます。企業で行われる健診を胃カメラや便潜血も含めた精密なものにして企業に義務付けて、企業に勤めてない人はがん検診をもっともっと推進して行けば医療費は確実に減って行きます。
 このことは長野県が成功していて、随分前から医療費の削減に取り組んで日本一医療費の少ない県になっています。
 もっと大切なことは年をとってもずっと働くことが、免疫力を高めて認知症予防にもなることが現在はっきりしたデータが出ています。20年前に現在の津和野町でJAの病院で院長をしていた時に、農村ですから山奥の高齢者は田んぼや畑の仕事を80歳を超えても一人前に働きます。若い人もいないので金銭的には決して豊かではなくても、病気をせずに認知症もなく心はとても豊かです。
 出雲に来て開業して、こちらの高齢者は若い人と同居して金銭的にも恵まれていて豊かであるのに、認知症が多くなったり免疫力が弱くひ弱い感じがします。あの農村でのたくましい高齢者の姿は少ないのです。
 年をとっても自立して何らかの仕事がある人は免疫力があってそしてぼけません。ここに今後の日本が進むヒントがあるのではないでしょうか。
 スポーツ界ではすでにその傾向が現れています。
 中日ドラゴンズのピチャーの山本昌は今年50歳
 サッカー界では三浦知良は48歳
 ジャンプで今だにワールドカップでメダルをとる葛西紀明は42歳
 大リーグで活躍中のイチローは41歳です
みんな全盛期の活躍は出来ないものの、自分が年をとっているという意識は希薄で首になるまで現役を続けるつもりです。肉体がなるべく衰えないように最大限の努力を怠らずにやり、何より凄いのはやる気が衰えてないことです。
やる気さえあればその人の選手寿命は格段に伸びて行くことを証明してくれています。
 このことが今後の日本社会に応用できないでしょうか。楽をしてなるべく多くの年金をもらって遊んで暮らす夢を見ている人に言いたいです。何もすることがなくてボーッとしていることほどつらいものはありませんよ。65歳になって年金をもらうようになっても、仕事量を減らして何か働きませんんか。働くことが本人の健康にも良いし、日本の社会にも多大な利益を生み、今後世界の高齢化の模範にもなります。
 戦後、安保闘争など思い切りエレルギーを爆発してきた団塊の世代の人にまずは、我々後輩に見本をみせて欲しいと考えます。
 ここでピッタリの詩がありますので紹介します。

       青春(サムエル ウルマン)

青春とは、人生のある期間を言うのではなく
心の様相を言うのだ
たくましき意志、優れた創造力
もゆる情熱、安易を振り捨てる冒険心、
こういう様相を言うのだ
年を重ねるだけで人は老いない
理想を失った時に初めて老いがくる
歳月は皮膚のしわを増すが情熱を失う時に精神はしぼむ
人は信念と共に若く、疑惑と共に老いる
人は自信と共に若く、恐怖と共に老いる
希望ある限り若く、失望と共に老いくちる

 日本のスポーツ界のレジェンド達に続いて信念と希望をもって年をとっても働ける準備を今からしてみませんか。この準備こそが現在のあなたを幸せに導いてくれると信じます。
 私自信も、現在のエネルギーを続けて持つことが出来る様に、これからくる老いに逆らって工夫を重ねて死ぬ直前まで働ける様に頑張ってみたいと考えています。