日本シリーズでの全力疾走
今日は日本シリーズの第五戦で、ソフトバンクが3勝1敗で王手をかけています。戦力的には互角だと思いますが、ここまでソフトバンクの走塁の良さが勝敗を分けているとも言われています。盗塁の数ではなくて、凡打と思っても全力疾走をしているために相手のミスを誘ったり、シングルヒットと思ってももしかしたら2塁も狙うつもりで最初から走ったお陰で2塁打になったり、相手のワイルドピッチで2塁から全力で走ったお陰で本塁まで突入できたりしています。逆に阪神はその逆で緩慢なプレーが目立ちます。最後まで勝負はわかりませんが、もしソフトバンクが勝つとしたらこの差ではないかと考えます。
1塁への全力疾走や、ヒットを打った時の全力疾走は誰でも出来ることですが、相手のミスがない時は全く目立たないプレーですが常にやっているチームとそうでないチームには大きな差がつくということです。大きな試合になればなるほど一つのミスが、大きな流れを作ってしまうからです。
このことを私達一般の生活や仕事に置き換えて考えると、成功する人とそうでない人の違いを考察することができます。
家庭でも仕事でも成功する人は、相手が想定している以上のサービスを提供します。例えば自動車を買ったとします。買うまでのサービスはどのメーカーでも上手に話をしますが、買った後の対応の上手下手で次回の購入の違いがでてきます。また、危機に際しても、こんなクレームがくるかもしれないと考えながら仕事をしている人は、いざクレームが来た時の対応はそうでない人とは全く異なった素晴らしいものであると考えます。要するに出世する人は目に見えない無視するようなことをきちんと対応ができて、あらゆる危機を想定して仕事をしたり、家庭での生活を行っているということです。例えそれがクローズアップされることがなくても、そのことを見ている人は必ずいて、そういう人は義理堅く付き合ってくれるということなのです。
人生に無駄なことは一つもなくて、当院においても患者さんのクレームを一つ一つ真剣に考えて行く内に成熟した組織になって行くと考えています。お客さんのために出来ることは全て全力で行うこと、これが組織が繁栄するかしないかの決める最も大きな要素ではないかと考えます。
毎日の何気ない一つ一つのルーチンワークを真面目にこなすことが、長い人生の大きな方向の違いとなってきます。朝寝坊せずに会社に来て、当たり前のことを少しの余裕を持って全力でこなすこと、このことだけで新たしいアイデアや困難に際した時の突破口になる考えが浮かぶものです。ただ、ぼーっと言われたことだけをやっている人には、神様は大きなチャンスを与えることはありません。
この日本シリーズを通して自分の生活に当てはめて考えて、自分を戒めてみました。どんなにつまらない仕事や家事と思われても手を抜かずに一生懸命にやることこれこそが、資源がないのに少子高齢化という世界に先駆けた難題をかかえている日本人が唯一できることではないでしょうか。
関東大震災後や第二次世界大戦後の日本人の映像をテレビで先日見ましたが、あんなに大変な時期なのにみんなが笑っていました。ヨーロッパやアメリカの人が驚いたと言われているそうです。どんなに困難に際しても、日本人はめげずに笑顔をつくることの出来る民族なのです。高齢者が増えてその負担のために消費税が上がるだの福島や原発の問題などいろいろな困難は次々に訪れるでしょうが、世界の人が驚いた、どんな危機においても笑顔で全力投球をする日本人の精神があれば、どんなに人口は減ってもこの国が衰えることはないと私は考えます。