院長の独り言
Monologue

2012.11.28

悩むヒマありゃ、動きなさいよ:内海桂子

90歳の漫才師内海桂子のツイッターが巷で人気があるようです。そのツイッターの名言集:「悩むヒマありゃ、動きなさいよ」を読んで、私の独り言に感想を書いてくださいと知人に頼まれましたので、今回は素直に知人の言う通りに書店でその本を買って読みました。読み始めてすぐにこの本が売れる訳がわかりました。
 「悩むヒマありゃ、動きなさいよ」のタイトルや「人ってのは、動きゃカネになるの」「こりゃダメだと思ったら、違うところからやればいい」のフレーズにある様に、行動を起こすのにやろうかやめようかとくよくよ考えている間に時代は流れ、時は移って行くのだからまずは時の流れとともに自分も動きながら、どうやったら上手くいくか考えればいいという意味だと思います。無鉄砲に何も考えずにただ行動すればいいのではなく、行動しながら考えることが大切で、そこで出した結論で失敗しても大したことではなく、また動きながら修正を加えて行けばいいとの意味だと私は考えます。
 そのことを私は「人生の動体視力」と呼ばせて頂きます。また、野球に例えてしまいますが、日本ハムファイターズの中田選手は素晴らしいホームランバッターですが、打率が低く日本シリーズでも最後のホームランのみの活躍でした。最初に山を張ってそこにボールがくればホームランになりますが、外れると三振の山を築きます。一方、巨人の阿部選手はホームランはヒットの延長と考えていてどんな球にでも対応してヒットを打ち、当たりが良ければホームランにもなります。二人の違いは動いているボールに対する動体視力が違うと考えられます。まずはバットを振りながら来た球に合わせてより芯に当たるように軌道を修正する。野球界で一番そのことが出来ているのはイチローですが、まさに長い人生を歩んで成功する人と成功しない人の大きな違いがそこにあるように思います。見逃しの三振からは何も生まれてきませんが、バットに当たればボテボテのゴロでもヒットになったり、相手がエラーをすることもあります。そこで失敗して苦労をしても自分で考えて行動した失敗なので必ず後の人生に生きてきます。内海桂子も「絶対に苦労しとかなきゃダメよ」と言っています。
 人生の動体視力を磨くには、一日の自分の成功を大まかにイメージして大体のところで行動して、軌道修正できる余地も残しておいて駒を進めて行きます。環境や相手の変化に応じて自分も対応できるように自分を毎日鍛えて行くのです。どんなに小さな出来事でもその習慣をつけていくと、長い人生を見通す動体視力もついてきて、方向性を誤ることが少なくなります。また、その繰り返しで、小手先の技で勝つのではなく、本格的に強い人間になるように思います。内海桂子も「足で歩いちゃダメ、腰で歩きなさい」「本音でぶつからないと、人にはけっして通じないわよ」と心も体も足腰の強い人間になることを勧めています。
 この本を一冊読んでみて、本当に元気が出てきてシンプルに人生を歩める気がします。ぜひ書店で買って読んでみてください。
 悩むヒマがあれば、まずは動いて見ましょう。