院長の独り言
Monologue

2012.7.30

女性のバランス感覚

先月の独り言で女性の特性について書いたところ、結構男性から好評だったので今月も第二弾を書くことにしました。
 人間の脳は左大脳が理論的な思考を司り、右脳は感覚的芸術的な働きをします。男性は右脳が女性に比べて大きいと言われています。もちろん個人差がありますが、音楽の世界でも美術の世界でも名を残すような芸術家はほとんど男です。また、右脳は空間認知といって物体の空間的な位置関係を認識する場所もあって、一流の建築家は男が多いです。女性に方向音痴が多いのも空間認知の働きをする右脳の働きが男性に比べて弱いからだと言われています。
 ですが、一芸に秀でた芸術家は一般的な常識がなく、かなり変わり者が多いのも事実です。それは名を残した芸術家はある一部の右脳の部分が優れている代わりに、その他の左脳の多くの場所と情報の交流がなくて、ネットワークが構築されてなくて、右脳の優れた芸術の部分だけを働かしていれば良いから、常識のない人間になってしまいます。
 女性の脳は左右の脳の大きさが男よりも小さいけれども、左右をつなぐ脳梁という橋が男よりも発達していて、常にいろいろなところの脳を働かせて情報交換してバランス感覚を研ぎ澄まして生きています。それは長い人間の進化の過程で、男は狩りをして獲物を捕って来て家族や村の仲間を支えてきていて、右脳を研ぎ澄まして空間認知や感を働かせないと狩りが出来ないからそうなっているのです。逆に女は男が捕って来た獲物を多くの家族で分けたり、狩りで獲物があまり取れない時は、村のみんなで助け合いが出来るように普段からコミュニケーションをとっておく必要があるので、左右の脳の情報交換のパイプである脳梁が太く作られているのです。夫同士はライバルで仲があまり良くなくても、奥さん同士は仲良くしている光景があるのは、女性のいざというときの危機管理です。また、女性は実に昔のことをよく覚えていて、夫婦喧嘩で自分が不利になると昔旦那がやったことを持ちだして有利な展開に転換するのが上手です。それもどこかにしまっていて男性は今生きていきのに必要ないから忘れていることを、女性はいつか使えると思って、ハードディスクにしまってあって何時でも取り出せる様にしてあります。夫婦喧嘩では男は絶対に勝てないのはその為です。男女の脳梁はISDNで細々とネットワークでつないでいる男性に対して、女性は光ファイバーでつないでブロードバンドでネットワークを構築しているのです。
 20世紀は右肩上がりの経済で、全ての仕事で右肩上がりとなって、いけいけの男性脳で十分に機能していましたが、21世紀に入って先進国でほとんど成長しない時代になりました。このような時期にはネットワークを構築したバランス感覚に優れた女性脳が活躍するのです。仕事上の方向性でも、奉仕団体で何かを決めるときでも、PTAの様な組織でもどの世界でも、女性の進出なくしては組織が機能しなくなってきています。
 特に最近では危機管理がどの世界でも重要視されていますが、危機管理こそ女性の危険を察知して最悪の事態を避ける能力が必要となって来たのです。
 また、何かものを売る仕事を行なっている会社においては、革新的なアイデアは男が有利かもしれませんが、今ある現状でどうしたらものが売れるかちょっとした工夫は女性のほうがはるかに優れています。
 我が斐川中央クリニックでは何かの方針は私が出しますが、それ以降の方法論については全て女性職員に任せて誠に上手くいっています。何かトラブルに遭遇しそうな時のそれを避ける女性の危機管理能力と、それを突破する力には毎回驚きます。
 これからは女性の思考回路が大変役に立つ時代と考えます。しかし、それを活かすも殺すも男性の度量であることも付け加えておきます。