院長の独り言
Monologue

2025.7.21

日本人の優れたバランス感覚

  昨日の選挙で与党が過半数を割りました。若い世代の投票率がSNSの影響で上昇したことが影響していると言われています。結果はともあれ、このことはとても大切なことで、今までは高齢者になるほど投票率が高くて現役世代が選挙に行かなかったので、どうしても国は高齢者に向いた政治を行ってきました。そのつけが現役世代に来てしまうので大変な負担感になり、将来への希望が持てなくなります。高齢者のみでなく若い世代が選挙に行くというバランスはとても良い影響を及ぼすと思います。

 また、与党が負けてどうのこうのはあまり大きな問題ではありません。日本人は、西洋人や中国人にはない優れたバランス感覚をもっています。徹底して同じ方向に行くことはありません。リーダーが出てきた時に必ずそれに批判的な勢力が出てきます。だから西洋や中国のように一方向に突き進んで、たびたび国が亡ぶことがないのです。その代わりに強烈なリーダーが出てきても長く続くことはありません。微妙にバランスをとって少しずつ方向変換していくのです。今回の選挙から数回の選挙を経て、日本の政治の形が定まってくることでしょう。多くの人の最大公約数を考えながら変革することしか日本人にはできません。それが約2千年続いている日本人の遺伝子だからです。

 この優れたバランス感覚こそが日本人の最大の長所で、どんな時代になってもどんなにつらいことがあっても、日本人はそこそこの生活が出来るようになっていると考えています。