院長の独り言
Monologue

2006.7.4

自分の将来の病気予想

今は、遺伝子診断の技術が進歩してきて、いろいろな病気を発症させやすい遺伝子がわかってきています。すべてを解明するにはかなりの年月がかかると思いますが、自分自身が発症しやすい病気は比較的簡単にできます。自分の遺伝子は父親と母親から半分半分きています。例えば、父親が癌で死亡したのであれば、その人は将来癌になる確率が50%位はあるということです。癌の種類は親と違っても可能性は半分あるということです。脳血管障害を発症した親がいる人は、高血圧などを治療しないと脳血管障害になる可能性が高いということです。高脂血症または糖尿病から心筋梗塞になった親がいる人は、生活習慣病の治療をきちんとする必要があります。うつ病で自殺した親がいる人は、思い悩まないように趣味を持ったり、心のケアが必要になってきます。
 親は、自分の子供に自らの病気を示して、将来この病気に気をつけろよと警告しているのです。そのことに注意して過ごせば、かなりの確率で病気は未然に防げたり、早期発見できます。癌家系の人は必ず毎年人間ドックを受けることが大切です。脳卒中の家系がある人はとにかく血圧の管理をきちんとすることが大切です。心筋梗塞の家系の人は、カロリーの取りすぎに気をつけて、高脂血症や糖尿病の管理をきちんと行うことです。
 小生は母親はこれといった病気もなく元気ですが、父親が47歳で胃癌で死亡しているので、毎年全身の癌の検査を行っています。しかも、父親のように無理をせずに細く長い人生を目指しています。木曜日と日曜日を休診にさせて頂いているのはそのためです。常に癌になるのではという恐怖があります。しかし、母親から遺伝子が半分来ているので、母親が元気でいてくれる事が、私自身の病気の未来予測の明るい材料です。
 自分の親からもらった遺伝子をしっかりと理解して、その状況に応じた生活をしていけば、何もしないよりは長生きする確率は増えると思います。