ハラミちゃんを知っていますか
皆さん、ハラミちゃんというストリートピアニストを知っていますか。1年位前から私は彼女のストリートピアノ演奏をユーチューブで聴くのがとても楽しみで、疲れた時や落ち込んだ時などには必ず聴くことにしています。クラシックの様な気取った音楽ではなくて、誰でも耳にしたような音楽を見事に感情をこめて弾いてくれます。ユーチューブの登録者数が133万人もいます。絶対音感があって楽譜なしでもその場で一度聞いた音楽を即興で弾くことが出来るのです。私は元々高貴で気取っているクラシック音楽が苦手なので、彼女のピアノにドはまりです。
そのハラミちゃんですが、4歳からピアノを習っていましたが、大きな挫折を味わって今日があるようです。クラシックの指導を受ける傍らで、ポップスの練習も勝手にしていて学校で昼休みに音楽室でポップスを弾いてみんなを楽しませていました。その頃のみんなの喜ぶ顔が今の自分の原動力になっているとの語っています。音大に進学して多くの才能あるクラシックピアニストに出会って自信を失って挫折して一般企業に就職しました。ついつい仕事をやり過ぎてしまう性格が災いして体調を崩して休職しました。休職中に都庁のピアノ演奏をした動画をユーチューブに投稿したところ、瞬く間に再生回数が増えて2週間で30万回を達成したという伝説をもっています。一度はあきらめたピアノ演奏の夢をストリートピアノ演奏をして人々を楽しませることに成功しました。
彼女の何が凄いかというと楽譜もなしにほとんどピアノの鍵盤も見ずに、人々に語りかけるように演奏をしています。つまり自分のピアノ演奏の上手さを自慢してひけらかすのではなくて、「皆さん、楽しく演奏を聴いてください。私の演奏で日頃の嫌なことや辛いことも忘れてリラックスしてくださいね」と私には感じられます。中には涙ぐんでいる人もいます。
私も本音で患者さんに接している人間の一人としてハラミちゃんの聴衆に寄り添う気持ちがとてもよく理解できます。今の成熟した日本の社会ではごまかしは通用しません。本当にこの人は本音で一生懸命に人々と接しているのかどうかが問われる時代に突入しました。嘘が多くて世論を操作するマスコミや政治に人々は嫌気がさしています。やがて10年20後には新聞もテレビも衰退してユーチューブが人々の情報や通信の主体となっていくことでしょう。
さて、4月に統一地方選挙が全国で始まります。わが出雲市でも現在の市町が勇退されて新しい市長を選出することになりました。そこで私が所属する出雲ロータリークラブで私が最も可愛がっていて、将来を嘱望している小豆澤たかひろさんが、立候補するので私に応援をして欲しいと昨年の11月に依頼してきました。家族、職員、患者さん、仲間に対しての義理人情だけで生きている私は応援を引き受けました。ところが実質の相手は平田出身の現役の市会議員さんで、政治力は向こうの方が何枚も上手で自民党の推薦も向こうが勝ち取って、公明党や商工会などの推薦も持っていかれて、とても厳しい選挙を行うことになってしまいました。61年の人生の中でほぼ逆境を跳ねのけて生きてきた私にとって、こんな逆境は何ともなく相手からのプレッシャーを自分のエネルギーに変えていまいます。多くの若い仲間も選挙を戦ったことがないので、法律を勉強したり相手からの脅迫ともとられかねない電話にも負けずに、エネルギーも日々高揚してきて頑張っています。出雲にもこんな若者のエネルギーがあったのかと感心しています。
小豆澤さんを簡単に紹介しておきます。出雲高校を卒業して中央大学理工学部を卒業して鹿島建設に就職して、台湾の勤務も経験しています。若くしてお父様が他界されて、出雲に帰郷して稼業の土木の会社と障がい者の就労支援の会社を経営しています。青年会議所の理事長や出雲市の教育委員も経験しています。その教育委員の時代に私の妻も一緒に教育委員をしていて、会議では役人にに対しても歯に衣着せぬ本音を発言したりして、妻もいつも大したものだと誉めていました。私自身もロータリークラブで常に本音でずばりと発言しているので、彼にはシンパシーを感じています。それもあって自分が立候補したかの様な頑張りぶりに笑ってしまうほどです。
もう一つ彼に出雲市のリーダーになって欲しいと考える理由があります。彼にはハラミちゃんの様な人々を豊かにして楽しませて、少しでも今よりは幸せにしてあげたいと思う天性の性格があるのです。自分が市長になりたいと思うのではなくて、自分が市長になってぜひやらなければいけないことがあると考えていることです。教育委員の在任中に彼の長男が登校拒否になってしまったことを彼は演説でも話します。おそらく学習障害の様な感じなのでしょう。私も多くの登校拒否の子供を治療してきましたが、親御さんはそれはそれは苦しいものです。その時に行政が無力であることに気が付いて、このことをきっかけに自分のライフワークでもある障がい者や貧困な人などの弱者の立場に立った行政でなくてはならないと今回立ち上がったのです。自分の名誉欲のためではなく使命感で立候補していることに私は共感して、今回の様な大きな自民党という組織を相手にして戦っているしだいです。ここまでやると今やっていることに、例え結果がどうであろうと私は悔いはありません。今も大きな組織と戦ってくれている出雲市の若い仲間を確認できただけでも61歳の私としては満足です。
今回の選挙は、今までの様な古い行政を継続して出雲市が行うのか、新しい風を吹き込んで多少のリスクはあっても改革に向かって行くのか。いち出雲市民として客観的に見る自分と、最前線で戦っている自分がいてまるでゲームでも楽しんでいるかのような不思議な感覚です。私もハラミちゃんの気持ちがかなり理解できる様になっています。これ以上述べると事前選挙運動で選挙違反になってしまうのでこれ位にしておきます。