院長の独り言
Monologue

2018.6.1

オキシトシンによる多幸感

五月連休に家内とボスベイビーというアニメ映画を見に行きました。かいつまんで内容を説明すると、世の中に犬を飼う人を増やすためにドックカンパニーという会社が皆から可愛いがられる犬を作って、赤ちゃんを増やすベイビーカンパニーを邪魔するというストーリーです。
 この少子化の中で確かに犬を飼う人は増えてきました。女優たちが番組の中でペットを飼うようになると結婚したくなくなると語っています。この話はジンクスでも何でもなくて、極めて科学的根拠に基づいています。
 皆さんはオキシトシンというホルモンを聞いたことがあるでしょうか。恋人同士が抱き合ったり、犬を抱いたりした時に分泌される多幸感を与えてくれる幸せホルモンです。私の家内は愛犬家で犬を抱いているとに見せるこの上ない幸せな顔を見せてくれます。それは今までの彼女の歴史の中で最上級のものです。
 オキシトシンは医学的には女性の出産や子育てに関連するホルモンです。子育てに手がかかる時には犬を飼う必要もなく、子供を可愛がっていればオキシトシンが分泌されて大変幸せな気持ちになります。やがて子供が旅立ったり子供に相手にされなくなると犬を飼う必要が出てきます。
 オキシトシンのさらなる精神に及ぼす作用は、心が癒されてストレスが緩和される。恐怖が減少する。他者への信頼が増す。社交的となって親密な人間関係をもたらす。など多くのポジティブな作用をもたらしてくれます。
 では、恋人がいたり犬を飼っていたりする人は触れ合ったり抱擁したりすればよいのですが、どちらともいない人はどうすれば良いかというと、家族と楽しく過ごしたり職場の同僚と飲みに行ったりカラオケに行ったりプレゼントを贈ったり、要するに人を楽しませて幸せにしてあげるか、そうしてくれる人に会えばよいのです。
 家族も友達とも楽しく出来ない人は、映画で感動したりアニメの世界で恋したり感動してもよいとのことです。また、エレベーターでドアを皆が出るまで開くドアボタンを押していたりすることなどでもよいとのです。
 自分が幸せになることよりも他の人やペットを幸せにすることを考えた時に、その人にオキシトシンが分泌されて、自分自身に多幸感が生まれてきます。そして他人も自分も幸せになってくるのです。
 現代社会はITでつながっていて極めてスピーデイーに情報が広まって行くし、人間関係もフェースtoフェースでなくなってきました。そのことによってオキシトシンが分泌される機会も少なくなってきました。自分自身が多幸感を味わうために、是非とも自分にメリットがない人にも親切にしてみませんか。そのことで必ずオキシトシンが跳ね返ってきてあなたも幸せになりますよ。