院長の独り言
Monologue

2016.6.30

女性の働き方

昨今、上場企業などで女性の管理職への登用や女性の働き方の改善についてやっと議論されるようになってきました。
  日本をはじめとするアジア諸国は現在でも男性社会ですが、欧米ではドイツのメルケル首相やアメリカのイエレン議長など多くの女性がトップで活躍しています。儒教の国では年上を敬い、女性は男性を立てて家を守るように古来から思想が植え付けられています。イスラム教国家ではさらに女性は低い身分です。キリスト教文化では人間は神様の元に平等で、男女問わず優秀な人が上に上がっていく文化なのです。
 今までのように働き盛りの男性が沢山いて、高齢者の年金などを支えることのできる社会であれば良よかったのですが、これからは少し若目の高齢者や女性のリーダーシップや労働力も必要な時代になってきました。ですが、女性のリーダーを作ると言っても、男性も女性もなれてない世界なのでお互いに戸惑ってしまいます。
 当院の職員12人は全員女性で患者さんも7~8割が女性で、多くの女性に囲まれて暮らしていますので、女性に厳しく意見されたりすることには慣れていますが、男だけの中で働いている男性は戸惑うかもしれません。
 私の場合は、その人と話をする時に男女の区別は忘れて、ただその内容の優劣でその人の価値を判断することにしています。
  統計的に見てみると、男性は一つのことに没頭して周囲を見ずに独自の世界に入って行きます。時に実現が難しいような夢も語ります。それに比べて女性は極めて現実的で、現在の状況の処理がとても上手です。周囲の人とも表面上は上手くやって行きます。メルケルやイエレンも調整能力に長けているのであそこまで這い上がったのでしょう。アップルやグーグルなどのITや人工頭脳を使った自動車などを開発しているのは男性優位なのでしょうが、日々のちょっとした発明や多くの人に協力してもらって行う統計的な仕事は絶対に女性が得意です。その意味では管理職や役員の仕事は女性の方が上手くこなすのかもしれません。男性優位の上場企業で女性の管理職や役員を多く登用した企業は業績が伸びているというデータもあります。
 これからの日本社会は超高齢化に突入するわけですから、70歳位の高齢者にも働いてもらって、女性が得意な分野ではどんどん女性を登用して、男性も優秀な女性の上司の下でしっかりスクラムを組んで働いていかないとこの国は滅びてしまいます。
 企業の人事でも簡単です。昇進させる時に女性か男性かどちらを優位に選ぶのではなくて、そのポストにふさわしい方を選べば良いのです。そんな公平な企業は消費者にも嘘はつかずに、消費者にも公平な企業である可能性が高いのです。だから伸びて行くのです。