院長の独り言
Monologue

2016.5.31

あなたは他人のせいにしていませんか

清原和博の覚せい剤使用の判決が出て、佐々木主浩のお陰もあって執行猶予付きになりました。
 清原は10年に一人の素質の選手ではありましたが、巨人に入ることを熱望していて指名されずに西武に入って、巨人を恨み世間の同情を買いました。FAで巨人に移籍して才能だけで野球をしていたために、活躍出来なくなって解雇されると、また巨人の悪口を言いまくっていました。プロ野球のチームが活躍出来なくなって多くの選手に冷たく首を切るのは、その世界の定めであり、全ての選手が覚悟していることであります。
 清原は常に自分の思い通りにならないと相手のせいにする悪いクセがあり、活躍出来ている時はみんながちやほやしてくれますが、衰えたると誰も近寄って来なくなります。相手をやっつける喧嘩方式の野球をやってきて、自分の脳力を高めて、今自分に出来ることを精一杯に努力してこなかった結果であると考えます。
 その対角にいるのが桑田真澄です。私は、あの巨人に指名されて日本中の人からバッシングを受けた時から、桑田真澄が好きになり、今までの野球選手の中でダントツに大好きな選手です。もし、桑田がどこかの監督になったらどの球団でもそこの球団のファンになります。
 それはどうしてかというと、あのドラフト前に清原が最も優れた選手であることは明らかで、桑田は身長も低いし球もそんなに早くなく、清原が当然巨人に指名されるであろうことは、桑田自身も考えたことでしょう。巨人も多分清原を指名するはずだったのでは無いでしょうか。でもくじになれば6~8球団での争いが予想されて、巨人は桑田を指名しました。桑田は早稲田に推薦入学することになっていましたが、もし大好きな球団が清原でなく自分を指名してくれて、18歳の高校生がその球団に入団することを決めた時に、例え早稲田の推薦を蹴ったとしても、誰が責めることが出来るでしょうか。その僅かな可能性にかけてそのチャンスがやってきて、日本中を敵に回した桑田の姿を見た時に私は大ファンになりました。私だけでもこの子を応援してやろうと思いました。桑田は努力を重ねて立派な選手になりました。最後は肘の手術もしましたが、復活をして最後まで今度は日本中の多くの人の応援を背にして投げていました。
 引退後は早稲田大学の大学院も卒業して、スポーツに対する幅広い知識も身につけて、今は解説者をして他の解説者にない奥の深い解説をしています。
  人間には持って生まれた才能があり、その才能があまりない桑田の様な選手は努力しかありません。目の前の自分に出来ることをコツコツと一生懸命にする。他人との比較はせずにただただ同じことを長い時間をかけて頑張る。
 その姿勢のみが成功を生み出すのではないでしょうか。大リーグで活躍するイチローもそのスタイルなのでしょう。清原の様に他人が自分に対して、どうしたとここうしたとか言っているうちは、才能が通じている間はまずまずでも枯渇してしまったら、努力する癖がついてない分あのような弱い自分になってしまうのでしょう。
 このところバドミントンの選手や野球賭博で捕まった選手などはみんなその類なのでしょう。
 先祖からもらった遺伝子はもう変えようがありません。自分の持っている遺伝子を最大限に生かせるように、他人に頼るのではなくて自分自身が工夫して、どのような努力をしたら良いのかを考えて、方針が決まったらただひたすら毎日毎日同じ努力を積み重ねて、目の前の自分に出来ることを精一杯にやりぬくこと、このことのみが成功の秘訣であることを、桑田やイチローが証明してくれています。
 今一度自分の人生を振り返って見ましょう。あなたは自分の不運を他人や環境のせいにしていませんか。自分自身が真っ直ぐな道を歩み始めた時に初めて周囲の人はついて来てくれますよ。このことは57年生きてきた私自身の哲学でもあります。