院長の独り言
Monologue

2016.1.31

問題の本質は現場にある。

このホームページの読者に先生の文章は長いとよく言われます。考えてみるとみなさんスマホで読まれると思いますので、長いといらいらします。今年は是非とも文章を簡潔に書くと努力をします。
 さて、私はニュースをよく見ますが、ニュースキャスターが知ったかぶりで色々と話す人がいます。その領域で暮らしている人は何も知らないくせにいい加減なことを話すなと思っていることでしょう。
 医療の分野でも本当の専門医が専門領域について話す時はほぼ正確な情報を提供していますが、他の領域のよくテレビに出てくる医師が適当に話している時はかなり嘘があります。
 会社の取締役会での会議内容でも、恐らく現場を何も知らない人達が現実に則さない議論をしていることでしょう。ですから、問題の本質に迫ることが出来ずに、見当はずれの手を打ってしまいます。伸びている会社は社長をはじめとする役員全員が現場の事情を知る努力をしていて、議論を行って正しい手を打ってきます。
 小売であれば抜き打ちで社長が店に出向いたり、タクシー会社の社長が身分を明かさずに自分の会社のタクシーに乗ったりして、現在の問題点や将来に打つ手は何なのか、問題の本質を探りに現場に出向いています。
 私のクリニックの様に小さな組織でも、上から目線でなく患者さんの目線に立った問題点はないかと常に目を光らせています。
 今年の箱根駅伝も青山学院大学が優勝して2連覇をしましたが、全日本駅伝で負けて苦しい戦いでした。しかし、ここで勝つための問題の本質は現場にあり、学生たちのやる気を喚起していった原監督はやはり名監督なのでしょう。
 私が専門としている漢方薬の勉強も本で学ぶよりは、患者さんの声をよく聞くことが最も上達する近道です。
 人生で成功する秘訣が一つあるとすれば、失敗してもいいから何でもまずはやってみる、やりながら対策を練っていくのが大切だと私は思います。ぐちゃぐちゃと理屈をこねてないでまずはやりたいことを実行してみましょう。そこで前に進むか撤退するのか考えればいいのではないでしょうか。
 現場での経験は失敗も含めて大きな財産です。失敗して初めてその理由を考え、その現場の感覚こそが一生の財産となるのです。死ぬまでその感覚を貯蓄して行く人が人生の勝利者になるのです。
 問題の本質は現場にあるのですから。