院長の独り言
Monologue

2015.11.29

器の大きさ

初めて人に出会った時に、この人は器が大きいなと感じる人と、役職が大きい割には器が小さいなと感じる人がいます。
 また、器が大きいと感じた人でも、実際に器が試される時に逃げてしまう人もいます。では器の大きな人はどうやって出来てくるのでしょうか。
 世を捨てた人以外は、人はまずは自分を大切にします。自分のみが大切で他人のことは目に入らない人も沢山います。一人で仕事をする芸術家や職人などはこれでも良いかもしれませんが、共同で生きて行く普通の人は所属するグループ全体のことを考えることが出来る人はリーダーに相応しく、部下の失敗に責任の取れない人は器が小さいということになります。
 リーダーとなって器が大きくなって行った人も、最初からそうであった訳ではなくて、最初はコツコツと自分のやるべきことを一生懸命に積み上げって行った結果、リーダーに抜擢されて、部下の失敗にも責任を持てる様になって行った結果で、さらに出世して行って器もそれに応じて大きくなって行くのだと思います。
 下積みもなく急にトップに立った人は器が大きい訳もなく、イエスマンばかりを周囲において、裸の王様になって行くのが常です。
 まずは、自分を大切にして努力を重ねて、次に家族や愛する人を守る意識を常に持って、愛する人のためなら自分の立場も捨てる覚悟を持っている人は、非常に鋭い感性を持っているので、外での戦いに敗れることは稀な様な気がします。
 さらに、働く場所で部下を尊重して行く結果として部下に尊敬され、部下の不始末にしっかり責任の取れる人は実に器が大きいと思います。市長、県知事、総理大臣に至っては、パフォーマンスではなくその住民を本当に愛して、しっかり守って責任を取ることが出来る人はなかなかいませんが、もしいたらどんなに小さな自治体であっても実に尊敬に値すると考えます。
 器は調子の良い時ではなくピンチの時に試されるもので、いざ危機的状況になった時に愛する人のために戦って責任を取れるかどうかにあります。
 年齢を重ねるごとに多くの人のことを考えてあげられる人間を目指して、少しずつでも自分の器を大きくして行きませんか。自分のことよりも愛する人や家族のことを先に考えて見ませんか。自分のことよりも部下に手柄を与えて見ませんか。その積み重ねで器が大きくなり、最終的には自分が一番幸せになるのではと考えています。なかなか難しいことですけどね。