快適に暮らせるパートナー?
動物の雌は自分が産む子供は、自然界の変化に耐えうる優秀な遺伝子を持つことを望んで交尾する雄を選びます。それは自分たちの子孫が生き残って繁栄するために備わった本能です。雄は自分が優秀であると信じて戦っているので、自分と交尾してくれる雌なら誰でも良いのですが、雌は違います。
動物においては男女の交わりの主導権は雌が握っています。
人間においては、やはり女性が主導権を握ってはいますが、男性も好みを一応持ちます。お互いに自らの遺伝子に足りないものを求めるために、生殖可能な年齢では全く自分と異なった遺伝子を持つ相手を選びます。それはなぜかというと、自分に足りない遺伝子を相手で補った方が、子孫が時代の変化に対応して繁栄することを知っているからです。自分が身長が低ければ高い男性を選び、自分に頭脳が必要だと考えれば頭の良い人を、自分が消極的な人は積極的な人を、神経質な人は無神経さを持ちあわせている人を、運動神経に憧れを持っている人はスポーツ選手を、お金が必要と考える人はお金儲けの上手な人を選び、顔に自信のない人は面食いとなり、全ては自分と全く反対の人に憧れます。
そして、結婚して子供が出来て自分にない長所に気がついて女性は安堵します。しかし、子供がある程度大きくなって来ると、かつて自分が憧れた自分と全くことなる性格の夫に対して、不満を抱くようになります。それは夫も同様で、かつては自分に従ってくれた妻が子供が出来ると急に強くなり、自分に逆らってくることに違和感をおぼえます。お互いがこんなはずではなかったと考えるようになります。江戸時代以前では文明も進んでなくて共に夫婦が力を合わせて暮らさないと生きて行けない時代で、自分と異なった意見の持ち主のパートナーの意見を聞いて行くことがその家の繁栄をもたらしたのだと思います。ですから、相手が違う意見の持ち主であるパートナーの方が人に騙されることもなく、困難に際して正しい判断が出来て、夫婦の違和感はあまりなかったのではないでしょうか。
ところが、現代社会においては生活全てにおいて便利な時代で、夫婦が力を合わせなくても生きるか死ぬかの状態にはならず、そこそこの暮らしは誰でも出来ます。万が一離婚することになっても、多くの場合は子育てをすることはできます。
そこで気がついて欲しいのは、若いころ好き同士での結婚は生涯において自分が気持ちよく暮らせる相手を選んだのではなくて、自分にないものを持った自分と全く異なる性格の持ち主てあり、何の憂いもなく共に暮らせるパートナーではないということなのです。そういう人を動物の本能に従って選んでいるということを思い出して欲しいのです。相手は全く異なった考えを持っていて、共に暮らしていて頭にくることは度々ありますが、いざ危機が訪れた時には自分にないものを持っているので大変頼りになります。私は数々の危機を若い頃から乗り越えて来ましたが、その時の家内の考えや対応にどれだけ助けられたことでしょうか。パートナーは共に快適に暮らせる相手ではなくて、共に戦う時に最も必要とする同士であることに気がつけば、家庭生活の中でほとんどのことは我慢ができます。
もし、子供も作る年齢はとうの昔に過ぎていて、これから人生の最終コーナーを回っている人の恋愛や結婚は快適に暮らせるパートナーを選ぶことでしょう。そうでない、若い人でこれから子供を作って育てるカップルは子育てが終わりつつあり、夫の異なった性格が目について嫌になる女性はこのことを頭において生活してみてください。また、子供の性格を観察して見てください。半分は自分半分は相手の性格や頭脳や運動神経が混ざっていて、あなたの望んだバランスのとれた生命が育っているはずです。自分一人の遺伝子で生まれ育った人格でないことがよくわかるはずです。
離婚の原因に性格の不一致というのがありますが、性格が不一致なのはあたりまえであり、性格の一致した男女こそ危機に際して同じ方向に向かうので危ない夫婦であることを理解しなければいけません。一方が落ち込んだ時には共に落ち込むのではなくて、一方が無神経で気楽である方が家庭の危機を救えて、子育てを継続することができます。全ては子孫の繁栄を考える動物の本能がなせる相性であることを理解しないといけません。
一生涯従順な女性と結婚したかったと考えている夫達に言います。右を向けというと何年でも右を向くような従順な女性は男をダメにします。辛口の意見を言ってくれるのは妻だけです。
一生涯私の方だけを向いてくてれて、私に合わせてくれる男性と結婚したかったと考えている妻達に言います。そんな男は社会で生きていけずリストラに合うのがおちで、女性が自分で稼げて男を養っていける人以外は無理です。
男と女は全く異なった特徴を持っていて、それぞれが大切な役割を持っています。その相手の役割に感謝する気持ちを持つことが出来れば、2つの遺伝子の働きが融合して、二人にふさわしい生活を与えてくれることを忘れないでくださいね。